自分らしいキャリアの築き方②

  • 2023.08.18

    共創ストーリー
  • トライトグループでは、ダイバシティ―&インクルージョンの推進を通じて、従業員一人ひとりが自分らしいキャリアを歩むための支援に取り組んでいます。このたび、女性活躍推進室の取り組みの一環として、トライトとグループ傘下の大分発HRテック企業のHAB&Coが、大分県女性起業家創出促進事業であるOita Starring Womanの活動をサポートしたことをご縁に、地元を拠点に活躍する2人の女性起業家にお話を伺いました。2人目のゲストは、企業と学生の交流促進プロジェクトを推進する三浦里芳さんです。キャリア形成に向けて、想いをカタチにするヒントをご紹介します。

    —Profile
    三浦里芳(みうら りほ)さん
    大分大学 経済学部 社会イノベーション学科 卒業
    高校在学中に企業と共同での商品開発、クラウドファンディングを活用した発展途上国の教育支援を行う。大学時代にはキッチンカーの運営を経て、飲食店【まほうのおうち】を開業、現在は企業と学生の交流を促進するプロジェクトを進めている。

    人と人のつながりで広がる可能性

    三浦さんの現在進めている活動を教えてください。
    私は、現在、「Silta(シルタ)」というプロジェクトを進めています。このプロジェクトは「なにかやってみたい」と挑戦の機会を求める学生と、若者のアイデアを取り入れたいと考える企業の出会いの場を繋げる活動で、プロジェクト名は「知る+たくさんの経験」を組み合わせた造語からきています。

    学生と企業を繋ぐ取り組みを始めたきっかけは何だったのでしょうか?
    私が企業と学生の架け橋になりたいと考えるようになったのは、新型コロナウイルスの流行により、人との関わりが極端に少なくなったことです。その当時、私は大学2年生に進級するタイミングで、学校に登校できず友達にも会えない状況が続きました。人とのつながりが減った環境下において、新しいことへの挑戦や出会いが叶う場の存在は、学生の背中を後押しできると考えたのです。また、このプロジェクトは地方が抱える労働力不足の課題解決の意味合いも含んでいます。昨今の日本では、就職を機に上京する学生が増加し、地方から都心部への人口流出が問題になっていますが、こうした状況は大分県も例外ではありません。Siltaのプログラムで地元の中小企業の魅力を伝えることで学生の流出を防ぎ、大分県の活性化を促す手助けができればと思っています。

    人と人との関わりが軸になっているのですね。
    高校から大学にかけて様々な経験や多くの人との関わりを通じて、「人とのつながり」の大切さを実感してきました。なかでも高校生の時に企業の1日を体験する「ジョブシャドウイング」というプロジェクトの一環で、コーヒーの関連企業と連携して商品開発を行ったことがはじめのきっかけです。私が企画したのは、コーヒー豆の麻袋で作るペンケースで、オリジナル性や使いやすさを評価いただき商品化が実現しました。SNSを活用し、適正価格をリサーチのうえ販売まで行い、得た利益は発展途上国の教育支援に活用しました。その後、いろいろな方から意見を募り、クラウドファンディングを通して発展途上国に継続的な支援を行いました。多くの人の意見を取り入れることで、自分の考えだけでは思いつかなかったことや、プラスの成果を生みだすことができると知り、人とのつながりの大切さを強く実感するようになりました。

    その後、大学生活ではどのような活動をされたのでしょうか?
    大学進学後は、それまでの多くの方々と関わってきた経験を、より自分の行動に活かせるようになりました。新型コロナウイルスの影響により、営業中止を強いられる飲食店が増える中、学生のニーズ・意見を取り入れたキッチンカーをスタートし、卒業後の現在は店舗のオーナーとして飲食店「まほうのおうち」を運営しています。 SNSを活用しながらクロワッサンとワッフルを合わせたスイーツ「クロッフル」をメインに販売しているのですが、何もかもが初めての中で、店舗のリフォーム・設置ができたのもこれまで知り合ってきた方々のサポートのおかげです。人とのつながりによってやりたいことに挑戦できたように、たくさんの人に挑戦するきっかけを与えたいと思ったことが現在のプロジェクト考案につながっています。

    挑戦の過程でのご苦労や乗り越え方について教えてください。
    物事を進める中では、たくさんの悩みがありました。「学生だから」と心無い言葉や、女性の意見が通りにくい環境などから挑戦を諦めそうになったこともありましたが、応援してくれる方々の存在を糧に、「次は自分が周りに還元したい」という気持ちで頑張ることができています。私が挑戦する中で心がけていることは、「自分の考えに可能性をもつ」「まずは行動に移してみる」「何事も失敗ではなく、いい経験」「協力してくれる周囲への感謝を忘れない」ということです。

    飲食店の開業も、「迷って後悔するくらいならやってみよう」という前向きな気持ちでスタートできましたし、一人の力では実現できなくても、周りの人の存在によって可能になることがたくさんあります。どんな些細なことも新しい道へのきっかけになり得るので、人と人のつながりの中で自らの可能性を広げ、感謝の気持ちを忘れずに、これからも挑戦を続けていきます。

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