自分らしいキャリアの築き方①

  • 2023.07.01

    共創ストーリー
  • トライトグループでは、ダイバシティ―&インクルージョンの推進を通じて、従業員一人ひとりが自分らしいキャリアを歩むための支援に取り組んでいます。このたび、女性活躍推進室の取り組みの一環として、トライトとグループ傘下の大分発HRテック企業のHAB&Co.が、大分県女性起業家創出促進事業であるOita Starring Womanの活動をサポートしたことをご縁に、地元を拠点に活躍する2人の女性起業家にお話を伺いました。1人目のゲストは、企業に勤めながら個人事業主としても活動し、テクノロジーとエンタメ、観光を掛け合わせた「エンタメツーリズム」で地域活性を図るため会社を設立した金夕貴さんです。キャリア形成に向けて、想いをカタチにするヒントをご紹介します。

    —Profile
    金 夕貴(キム ソッキ)さん
    大分県別府市出身(韓国籍)
    立命館アジア太平洋大学卒業
    NTTコミュニケーションズ株式会社と兼業で個人事業主として活動する傍ら、テクノロジーで地域の活性化を図るため株式会社Wells Beを設立。

    何事もまずは自分から。チャレンジすることで変わる景色

    ―現在進めているプロジェクトについて教えてください。
    大分県別府市を中心に、最先端テクノロジーを取り入れた温泉に代わる新たな観光産業(エンタメツーリズム)の創出を目指しています。新型コロナウイルスの流行を機に、地元である別府にUターンしたのですが、かつては賑わっていた商店街が、コロナの影響で人通りもなく閑散としていました。この状況に衝撃を受け、どうにか別府を元気にしたいと思いついたのが、東京オリンピックの開会式からヒントを得たドローンを活用した事業でした。別府は温泉などの観光産業が90%を占める国際観光文化都市にも関わらず、日帰りの観光客が多く、一人あたりの消費額も少ないです。そのことに着目し、夜まで楽しめるアクティビティを増やすことで、ナイトタイムエコノミー(18時~翌日朝6時までの消費活動の促進や魅力を創出することで経済効果を高める)を活性化することで、別府の観光課題を解決できるのでは?と考え、株式会社Wells Be(ウェルビー)の設立を決意しました。「別府を元気に!」という想いを胸に、今では40社以上のサポーター企業がついてくださり、事業としての実現が現実味を帯びてきました。

    ―現在、企業にも所属されているそうですが、どのような働き方をされているのでしょうか?
    現在在籍している NTTコミュニケーションズ株式会社では、働き方改革が進んでおり、大分県でリモートワークの業務をしながら会社設立の準備を進めていました。もともと世界で通用する経営者になりたいという気持ちがあり、大企業の経営ノウハウを学ぶために2011年に現職に入社しました。外国人登用による活性化に向けた会社側の試みとして、関西支社に初の外国人社員として初期配属され、その後も働き方改革の先駆者として活動し、2019年には企業文化醸成プロジェクトのリーダーを務めました。いつか地元の大分県に戻りたい気持ちがあったので、当時働き方改革の一環として試験導入された、遠隔地でのリモートワーク制度を自ら活用し、モデルケースになれればいいなと思っていました。

    大分県のコワーキングスペースLinkにて

    ―新しい道を切り開くとき、うまく進める秘訣はありますか?
    1つ目は「声をあげる」ことです。思っていることは声にしないと気付いてもらえないですし、当事者には伝わりません。何かに悩んだ時や思うことがある時は、一人で抱え込まずに相手に分かってもらえるように伝えることが大切です。私は、周りの人に自分の意志や課題感が伝わるよう、日々、打ち明けることを意識しています。2つ目は「限界を作らない」ことです。人は困難が立ちはだかった時、無意識にできない理由を探してしまう傾向にあります。ハードルを作っているのは自分自身なので、どうすれば実現できるかという方向に考えをシフトして行動しています。以前、上司に「ハードルが高ければ下をくぐればいい」と言われたことがあります。自分では思いつかなかった新しい視点に気付くことができ、勇気をもらいました。少し視点を変えることで、解決策を発見できることもあるので、困った時は違う角度から物事を考えてみるようになりました。3つ目は「自ら始める」ことです。自分の居場所を決めるのは自分ですし、誰かがやってくれるだろうと待っているだけでは、なかなか思い通りにならないものです。行動なくして変化は起きないので、まずは自分ができるところから始めてみることを意識しています。

    ―すぐに取り入れてみたいと思います!最後に、新しいチャレンジをカタチにするヒントを教えてください。
    「2:6:2の法則」をご存じでしょうか?始めはマイノリティでも、ある時を境に臨界点を突破することで、次第にマジョリティに変わっていきます。現職では、遠隔地でのリモートワークのトライアルをいち早く活用し制度設計に寄与したり、副業制度を活用しスタートアップ企業立ち上げの事例を作るなど、新しい取り組みにチャレンジしています。こうした動きも、自ら声を上げ始めたことで起こせた変化だと思っています。仕事や人生において正解はありません。まずはやってみて、新しいチャレンジをすることで小さな成功体験を積み上げることで、また次の一歩を踏み出す自信につながる、その連続ではないでしょうか。小さな一歩でも踏み出し続ければ、気づけば見える景色も変わっているはずです。

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