5月12日は看護の日 看護職のリスキリング・スキルアップに関する実態調査

  • 2022.05.11

    PR情報
  • 半数が取り組みに意欲的、今の専門性を深めたい傾向

    ~勤務先での支援は約半数、望むのは「学習するための資金や教材などの支援」~


     医療・福祉分野の⼈材紹介・派遣サービス事業を行う株式会社トライトキャリア(本社:大阪府大阪市、東京本部:東京都千代田区、代表取締役CEO:笹井 英孝)は、看護職508名を対象に、「看護職のリスキリング・スキルアップに関する実態調査」を実施しました。

    【調査実施の背景】

     個人が持つ知識や能力を「新しい価値を生む資本」として捉える「人的資本」の考えの広まりや、DX (デジタルトランスフォーメーション)などによる職務や業務の大幅な変化が想定される中、これまでの社会人学習から一歩踏み込み、変化に適応するために必要なスキルや知識を習得する「リスキリング」に注目が集まっています。
     リスキリングは主にオフィスでのビジネスに従事する人々を対象にした議論が深まっていますが、医療福祉業界においてもDXの推進やICT化が急がれていること等を背景に、同様に今後必要性が増してくるものと考えられます。しかしながら、医療福祉業界におけるリスキリングの取り組みに関する情報は多くはない状況です。

     本調査は、5月12日の「看護の日」を機に、看護職として医療福祉業界に従事している方々を対象に、リスキリングの考えや取り組みがどの程度進んでいるのか、また、その前段にあるスキルアップへの取り組み実態を明らかにする目的で実施しました。
     調査結果から、約半数の看護職が仕事に生かすためのリスキリングやスキルアップに取り組んでいることや、学習支援が行われている職場は約半数である実態が明らかになりました。一方で、看護職に従事する本人の取り組みの有無により、職場等の環境への要望に差があることも明らかになりました。
     オフィスビジネスの職種を中心に議論や取り組みが進められているリスキリングやスキルアップですが、看護業界においても積極的な学習支援が職場のスキルや生産性底上げにつながることが予想される結果となりました。

    【主な調査結果】

    ●看護職の約半数(52.8%)が仕事のためのリスキリングやスキルアップに取り組んでいると回答
    ●取り組み内容は「現在携わっている看護領域で求められる専門知識・スキル(57.5%)」が最多
    ●取り組む理由は「今携わっている看護領域での専門性を上げたいから(36.9%)」「仕事の幅を広げ、できることを増やしたいから(36.9%)」がトップに
    ●勤務先の55.1%で知識や技術を身に付けるための支援・研修を実施
    ●リスキリング・スキルアップに取り組んでいるものの、キャリアアップに関しては「目指していない(35.8%)」という回答が最多
    ●リスキリング・スキルアップのために望むものは「学習するための資金や教材などの支援(26.8%)」

    【調査結果詳細】

    (1)看護職の約半数(52.8%)が仕事のためのリスキリング・スキルアップに取り組んでいると回答

      取り組んでいる看護職が半数いる一方で、取り組みに積極的ではない看護職も47.2%となっており、取り組み状況に差が出ています。また、役職別で比較すると、一般職よりもリーダー・主任職以上の方がリスキリングやスキルアップに積極的であることがわかりました。

    (2)取り組み内容は、「現在携わっている看護領域で求められる専門知識・スキル(57.5%)」が最多
    現状は「リスキリング」よりは「スキルアップ」に注力

     リスキリングやスキルアップに取り組む人の半数以上の取り組み内容は「現在携わっている看護領域で求められる専門知識・スキル」となっています。現状、看護職においては、一般的に「リスキリング」に分類される変化へ対応するための知識やスキルの習得よりも、今関わっている看護領域での「スキルアップ」へ注力している傾向が強いことがわかります。

    (3)取り組む理由は「今携わっている看護領域での専門性を上げたいから(36.9%)」「仕事の幅を広げ、できることを増やしたいから(36.9%)」がトップに

     業務レベルの向上の他、「患者・利用者の役に立ちたいから(31.0%)」も上位にあがっており、看護職として貢献したいという想いでリスキリングやスキルアップに取り組んでいる人が多いことがわかります。

    (4)勤務先の55.1%で知識や技術を身に付けるための支援・研修が行われている状況

     勤務先の支援・研修内容では、「現在携わっている看護領域で求められる専門知識・スキル(51.8%)」が最多、次いで「感染症・衛生管理に関する知識・スキル」が38.2%という結果になりました。また、看護職の70.5%が職場での支援の有無にかかわらず、自らの意欲で学習に取り組んでいます。

    (5)リスキリングやスキルアップに取り組でいるものの、キャリアアップに関しては「目指していない(35.8%)」という回答が最多

     「リスキリング・スキルアップを経てキャリアアップとして目指すものはありますか?」という質問に対して、35.8%が「キャリアアップは目指していない」と回答。

    (6)リスキリングやスキルアップのために望むものは「学習するための資金や教材などの支援(26.8%)」

     看護職がリスキリングやスキルアップのために勤務先や業界団体などの外部環境に望むものは、「学習するための資金や教材などの支援(26.8%)」がトップにあがり、続いて「研修やセミナーなどへの参加機会(26.2%)」が上位となりました。
     望むものを取り組み状況別に分類すると、リスキリングやスキルアップに取り組んでいる看護職は取り組んでいない看護職と比較して外部環境への期待が高い傾向があり、取り組んでいない看護職では約3割が外部環境に望むものはないと考えていることがわかりました。

     本調査では、半数以上の看護職がリスキリング・スキルアップに取り組み、特に自身が携わる看護領域に関する知識・スキルの習得というスキルアップが中心であることがわかりました。一方で、リスキリングやスキルアップ自体に取り組んでいない看護職も半数近くおり、取り組み状況には差が見られます。また、取り組んでいる人の方が職場も含めた外部環境に支援を望む割合が多く、学びの意欲の高さが現れていると考えられます。このように学習意欲を持つ人の希望を汲みサポートをすることが、看護職全体のスキルアップ・生産性の向上に繋がっていくと考えられます。

    ■執行役員 営業本部 第二事業部長(看護事業部):若林利晃 コメント

     看護師は国家資格によって従事できる仕事であり、資格取得後も時代や環境に合わせてスキルや知識の研鑽を求められる仕事です。職業紹介にあたり、医療機関からは看護資格に加えて専門資格や特別なスキル・技術を持っている看護職のご要望をいただくことも多く、現場で活躍できるスキルや知識を有しているかどうかが内定に影響することも少なくありません。調査結果を受け、看護職の学習意欲を後押しする体制の整備が業界全体の生産性の向上に繋がり、ひいては大きな課題である医療福祉業界の人材不足を補うことになると感じます。医療・福祉の現場で働く方々と施設を運営する皆さまを繋ぐ立場として、今後も人材の支援とともに働く人々の声を社会に届け、医療・福祉業界で働く魅力がさらに向上していくことに寄与していきたいと考えています。

    【調査結果概要】

    調査方法:インターネット調査
    調査母集団:調査会社のリサーチモニター
    調査対象:20代以上の看護職男女508名
    調査期間:2022年4月25日〜4月27日

    【株式会社トライトキャリア概要】

     株式会社トライトキャリアは、医療・福祉業界の⼈材紹介・派遣サービスを行う会社です。「ひとりの明日を変えることから、社会の未来を変えていく。」というグループビジョンのもと、医療・介護・保育業界を取り巻く慢性的な⼈材不足とそれに起因する課題の解決へ寄与することを目指しています。

    本社所在地:大阪府大阪市北区曽根崎2-12-7 清和梅田ビル13 階
    東京本部:東京都千代田区有楽町2-7-1 イトシアオフィスタワー16 階
    代表取締役CEO:笹井英孝

    トライトグループ:https://tryt-group.co.jp/
    トライトキャリア:https://tryt-career.co.jp/

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